さて、我が命題である「トランクひとつ」への整理は忘れていない。今月はバッグ類と決めてあれこれ考えてきたが、今日はいよいよ決行だ。何か片付けをする時はルールを決めないと収拾がつかなくなるので、自分なりのルールを決めた。「ハレ、ケ、予備」の基準で3点ずつ選っていくことにしたのだ。まずは、トランク行き(最後まで使う)の3点。まだしばらく(10年くらい?)は仕事をすることになるだろうから、その現役中に使う物3点、臨時(旅行、冠婚葬祭等)に使う物3点、計9点。何か壊れたり古くなってしまった時だけ新しくする。常に9点で、かなりのスリム化だ。
まだ旅行にも行きたいし、行けるので、一週間用くらいの旅行ケースは必要だ。お土産など荷物が増えた時用のたためるトートバック、観劇、食事等のお出かけ用の小バックもその中に入れておこう。仕事用には、沢山入るトートバッグは便利だが、仕事柄、書類等紙類を持ち歩くことが多いので重過ぎて、何年か前に肩を痛めてしまい、以来、ハンドバッグとブリーフケースに分散して持つことにした。最後には、改まった場所にも大丈夫なオーソドックスな黒のハンドバッグ、洋服にも和服にも合うビーズの手提げ、軽い2ウェイ(ショルダー、リュック)バッグの3点になるはずだし、それで充分な気がする。これでどこまでやれるだろうか。今までは、素敵なバッグでも見かけるとすぐに買ってしまったものだが、どうだろう。物を少なくしてシンプルに生きる満足感がその物欲に勝るかどうか。
でも、こうやって処分する物を見てみると、ろくに使わなかった物も多い。これからは選び抜いた物をとことん使い尽くそうと思う。使い尽くして、壊れた時に改めて新しい物を買いたい。数はこれで決まり。
ところで、どうしても必要とは思えないが、処分出来なかった物が一つある。それは、トニー賞にノミネートされた者だけに与えられるトートバッグである。
NYで20年以上アーチストとして活躍している友人のMさんからもらった物だ。Mさんは石岡瑛子の遺品整理を手伝い、その時に譲り受けたこのバッグを「舞台製作をしているあなたに相応しいと思って」と私に譲ってくれた。トニー賞なんて! 考えたことも無いし、目指したことも無い。これからも縁は無いだろう。これは、ある意味、相当貴重品だ。日本人では数名しか持っていないだろう。確か昨年、日本人で初めて受賞したプロデューサーがいたと思うが、いずれにしても希少価値ではあり、あだやおろそかに処分は出来ない。もしここに、演劇、ミュージカルでブロードウェイを目指す若者がいたのならば、夢と共に譲りたいくらいである。
トニー賞といえば、つい先日の受賞式にスティングが新しいミュージカル「The Last Ship」のパフォーマンスで出演していたが、舞台はいつから始まるのだろう。楽しみで楽しみで仕方がない!
