私の悪い癖だ。最後のひと踏ん張りがきかず、中途半端になっている物がいくつあるだろう。片付けはどうだ?! あんなにせっせとやっていたのにどれも中途半端のままだ。P病に罹ったのは理由にはならない。むしろ病気だからこそ、周辺を身ぎれいにしていなくてはならないのに!
大きな本棚を処分した時の本の片付けは自分でも清々して気持ちが良かった。整理のコツも覚えたし…ところが、残した本(いわば一簣)が仕上がらない。一度大きく整理したので、残っているのは好きな本が多い。それが却って片付けの邪魔になっているのかもしれない。だが、好きな本でも何度も読み返すことはないということも実感した。そこで、好きな作家から片付けることを思い立ち、ぐるっと見たところ、井上ひさしと村上春樹が目立つ。二人共、勿論、図書館に沢山あるし、アマゾンでも明日届く作家だ。井上ひさしと村上春樹はもう家には無いとなれば、捜す手間も無く、時間の節約になる。
本の片付けの時に注意しなければいけないのはつい本を読んでしまうことで、片付けどころではなくなってしまう。井上ひさし自身もそのようなことをどこかに書いていた。だが、今回は掟を破って「化粧」を読んでしまった。その何日か後に内野聖陽の男版「化粧」を観る予定があったから、ちょぴっと予習をしたかったのだ。
実際の舞台は「似て非なるモノ」だった。内野はチャーミングだし、上手かったけれど。あれは井上ひさしの「化粧」では無い。