2020年3月21日

243 自信を持ちなさい!

パーキンソン病と診断されて丁度一年経った。
主治医のS先生とは月一度お会いして、血液検査をして血圧を測って、あーでもないこーでもないと問診、治療というよりカウンセリングのような時間を持ってきた。S先生は大変偉い方なのに権威ぶらず、軽妙な会話をされる方で、お顔を見るとほっとする。ここにも何回も書いたが、検査の結果はいつもとても良い。血圧なんて自分や他の病院で測ると危ないくらい高いが、S先生に測って頂くと理想的な数値だ(70~120)。S先生に対しては白衣プレッシャーが無いのだ。「君も変わっているよね~普通は逆だよ」とからかわれる。
「自信を持ちなさい」先生がこのところおっしゃる言葉だ。「初期に病気を発見し、症状も進まないから薬も増えない、もっと自信を持って笑顔でいなさい。今の君はスキップして帰ったっていいくらいなんだよ。」と。確かにそうだ。P病に似た症状の病気は他にも色々あるので、病名を特定できずに何年も病院通いをした人がいるのも知っている。精神科に入院させられた人もいる。誤診のせいで、よりによってP病には良くない薬を飲み続けた人もいる。私の姿を見て心配になって、この分野のオーソリティであるS先生を紹介してくれたS夫人。ご主人はやはり何年間か病名が特定されなかったし、S先生に出会うまでには数名の医師を経たようだ。私の場合は全て直球で、病院にも医師にも出会えた。私はとてもラッキーなのだ。S先生がおっしゃるようにスキップしたいような気分でいて良いのだ。お調子者の私は、実際にスキップを試みたのだが、足が上がらず駄目だった。それどころか足がもつれて転びそうなった。危ない、危ない。でも、スキップなんて、この歳じゃ病気じゃなくても無理かもね。

天気も良く暖かなので、病院の帰りに明治神宮に寄る。病院の近くあるので、時々は寄ろうと思っていたのだが、この一年はその余裕も無かった。余裕というより、歩く元気が無かったのだ。徒歩15分が辛く、タクシーで往復したことが多かった。でも、久々に歩いてみようという気持ちになった。S先生の励ましの言葉のお陰




2020年3月10日

242 啓蟄の力

世のウィルス騒ぎの中で、不要不急で出かけてはいけない人種は、我ら高齢者だ。
句会なんてとんでもない。吟行でふらふら歩きまわるし、選句や打上げ飲み会では口角泡を飛ばして熱く語るし、それこそ濃厚接触なのだ。でも、せっかく生活の一部になった句会を中止するのは残念だ。
という訳で、最年少のせいで永久幹事の吉田君の提案で郵送投稿で句会をすることとなった。今日が締め切り、一人5句ずつ集めた句を吉田君が清記して、皆に送付、それぞれ選句してまた彼に郵送、選句の結果を待つのだ。彼には面倒をかけるが、句会が成立するのは嬉しい限りだ。歳時記を読み季語を捜し、季節について考えるのは楽しい。
以下は私の5句の中の1句だ。(これが一番良いという訳ではない)
 啓蟄の蠢き感受発熱す
このご時世で「発熱」は禁句だが、そのくらい、今年は啓蟄のパワーに影響された感じがする。
私は、3月に具合が悪くなる事が多かった。入院したことがあったのも3月だった。それでも今までは春の芽生えのパワーにあやかろうとしたものだったが、こんなちっぽけな人間が自然のエネルギーに同調出来ようはずもない。啓蟄のパワーはとても強く、気候にも多大な影響を及ぼすと言う。だから具合が悪くなるのも当然なのだ。
今年の啓蟄は、3月5日~3月19日だそうで、この間は静かにやり過ごすしかない。



2020年3月1日

241 肺も完璧!

このコロナウィルス騒動のせいもあり、妹が長引く咳を気にし出し、気にし出したら居ても立ってもいられないのが、人の心理。少し前にはベトナムにも滞在したし、羽田空港も経由したし、と心配の種は尽きない。大した咳とも思えないし熱もないし、「大丈夫だよう」と娘たちも慰めるが、心配の渦に入ってしまった妹の耳には届かない。世のコロナ情報は怖いものばかりだし…
私とは旅行中ずっと一緒だったし、同じ部屋で寝起きしたし(いわゆる濃厚接触)、と心配は私の事にまで及び、長野のクリニックに行った日に流れでとうとう私も胸のレントゲンを撮ることになってしまった。私はどう見てもピンピンしているんだけど。(P病はともかくも)
案の定、「きれいな肺ですね〜、肺炎も肺癌の疑いもありませんよ!」と、写真を示しながら笑顔の先生。お騒がせ致しましたと身を縮める。去年の大検査と毎月の血液検査、その後の背中と腰のレントゲン、いつも褒められるくらいの完璧さだが、脳のたった2、3ミリの黒質の異常のせいでこの身体の不自由さがうまれており、脳の世界は複雑だ。とは言え、肺もバッチリとなれば、それはそれで嬉しいものだ。
件の妹は「気管支炎」だった。