梅の花の盛りで匂いも香しく漂っている。北風が冷たかったが空は晴れ渡り、陽射しには春を感じる。吟行には寒さ対策が必至。そこは抜かりないニーサンネーサン達だ。元気に歩き回る。吟行の日は1万歩どころではないのだ。
吟行の後の句会では、一人5句を提出して選考に入る。私は3句選ばれたが、悲しいかな、今回もひどい句だ。
如月の黄色の花が春を告げ |
金色のヒレナガゴイが春を呼ぶ |
春めきて梅の香かほる御苑かな |
ところで、俳句に俳号はつきものだが今まで発表しそこねており、今回やっと披露することになった。
稀里(まれり)である。
以前、語りの会の制作をしたことがあり、主宰者の高井松男さんから芸名をつけてもらった出演者達の、本人の特徴が活きた芸名に感心していた私に、高井さんが制作の私にまで芸名をつけてくれたのだった。この名前を聞いて「鄙には稀な、のあれですかね?」と図々しくも尋ねる私に「稀なのは里」と笑う。つまり、大変な田舎(の者)ということだ。私の出身地の長野の佐久を田舎の中の田舎と思っている(実際そうだけど)彼は、常日頃、冗談まじりに私と佐久のことをからかっていたのだ。何を隠そう、彼は新潟出身だけどね。メクソ、ハナクソ…
真意はともかくとして、この名前を結構気に入っていた私は、何かで使えないかなあと思っていたが、詩も小説も書かず、舞台に上がることも無い。俳号と聞いていいチャンスだ!と思ったのだ。本名以外の名前を持つのは楽しいものだ。