5月X日に東京に大地震が来るという噂が最近流れているという。時々、こういった流言飛語が真しやかに飛び交うが、大騒ぎすればする程当らないのが現状だ。流言飛語に惑わされることはないが、日本列島地下の活断層やプレートの動きが活発なようで、大地震がいつ来てもおかしくはないという危機感はもう随分前から持っている。と言っても、防災グッズを揃えて保存食品を蓄えて置くぐらいのことしかやっていないのだけど…
姪たちと大人数で暮していた時は、押し入れの4分の1が保存食で閉められていた。私の場合はちょっとやり過ぎるきらいがあるらしく、今のように自宅と職場が近くなかった時は、事務所にまでそれなりの物を置いていた。そのくせ管理が細やかでないものだから、気がついた時は賞味期限切れか期限直前だったりして、その処理に大騒ぎしたものだった。今は一人暮らしに戻り職場も近いので、自宅に適度な量の物を置いているだけだ。食品3日セットのダンボール箱1つと防災グッズが入ったリュック。いざとなったら、リュックを背負ってスタコラと避難するしかない。これも随分とスッキリした。
東日本大震災の後、防災グッズを備える人も増えたようで、「美味しい保存食」を謳ったり、企業も色々な企画を揃えている。私は日頃の食品を取っている事もあり生協の物にしている。この企画が有難いのは、1年経つと新しいセットを届けてくれることだ。気がついた時に賞味期限切れといううっかりが無くなった。新しいセットが届いてから古い方の処分にかかっても期限は大丈夫だ。ただ、私は元々インスタント食品や保存食はほとんど食べないので、結局は他人の手を借りることになる。職場のスタッフの中には「全く大丈夫ですよ!」なんて、気持ちよくもらってくれる者もあるが、最近は別の方法で処分を手伝ってもらっている。
ホームレス支援活動をしている「ビックイシュー」編集部に送り、ホームレスの方達に食べて頂いているのだ。恵比寿駅前にいつも居る販売者に恐る恐る尋ねたところ、「きっと喜んで食べてくれますよ」と言ってくれて実現したのだ。今回は、去年のセットに保存期間が長かった以前の物を足して、ダンボール2箱くらいの量になった。
この雑誌に関しては、私は自分の分がある時でも販売者を街角で見かけると必ず1冊買い、友人や知人に配っている。こういう形でしか協力が出来ないし、一人でも多くの人にこういう活動を知って欲しいという願いもあるからだ。それに内容も面白く、私が好きな「縮小経済」提唱者の浜矩子の連載コラムもあり、支援のみならず読む楽しみもあるのだ。
販売者の彼らとは、話したとしても一言二言だが、「この人達のようにホームレスに、私がならないという根拠は何もないのだ」と、いつも心から思わずにはいられない。