師走に入り、もう半月が過ぎようとしている。師が走るくらいだから、私ごとき者が駆けずり回るのは仕方ないだろうが、時も飛ぶように過ぎていく。
12月2日「石橋幸コンサート」、12月3日「東京能楽囃子科協議会定式能」と公演が続き、囃子科協議会の来年度公演のチケットの発売も始まった。「子どものための日本文化教室」の「文様」、「三味線」もあった。
10月に亡くなった花房徹の息子の花房青也のライヴには、応援の意味もあって顔を出した。天才的な父親には及ばないだろうが、青也には父親には無かった魅力的な部分がある。それを生かして、彼には父親の分も頑張って欲しいものだ。花房徹とも同世代で、7月に亡くなったギイフォワシィ・シアター主宰者の谷正雄さんのお別れの会にも出席する。彼ほど寡黙で辛抱強いプロデュサーは他にいないだろう。「何とか助けてやりたい」という風情があったというのが、多くの人の思い出話に上る。小さな劇団を38年間も維持するのは並大抵のことでは無かったであろう。敬意を表すると共に心から「お疲れさま」と言いたい。
明日は、西荻窪「音や金時」で岩切久美のアドリブ芝居がある。彼女は普段は私の仕事を手伝ってくれるスタッフの一人だが、本業の女優として年4回のこのアドリブ芝居を大切にして、ユニークな舞台を作っている。時々、ある大手プロダクションの子ども達のレッスンも引き受けているが、彼女のレッスンを受けた子はオーデションに受かり易いと評判で、レッスン教師としての分量も最近は増えているようだ。本人が楽しんでやっているようなので、それはそれで結構なことではあると思っている。
そのライヴの前に、つい数日前に出産をした姪のお見舞いに行かなければならない。母子共に健康ということで、これも大変結構。新しい命の誕生という話題は人の気持ちを明るくさせてくれる。生まれたこの子からしたら、私は「大伯母」だが、私からすると姪の娘は何と呼べば良いのだろう?あれっ?知らないなあ。今度調べよう。
こんな調子だが、来年のノートはさすがに用意した。ノートはこの10年程はミドリカンパニーの物に決めているが、本当に使い易い。過去にはシステム手帳も何種類か試したが納得いく物が無く、使いこなせず、これにたどり着いた。大きさも厚さも程よくてかさばらない小さめの物だが、スペース的に足りないことはない。ダイアリーとしてはこれで充分だが、私はもう一冊リーフ差し替え自由のA5ノートを携行している。薄いA5ノートでルーズリーフは珍しく、打合せでも調べ物でもどんどん書き込んで、時々ジャンル毎に綴じ直す。これも便利。
ところで、偶然だったのだが、陶芸研究家の森(中島)由美さんもこのミドリカンパニーのノートを使っていて、年末近くなると「来年はどの柄にしたの?」とか聞き合うこともある。つい買いそびれている私に「買っておきましょうか~?」と言ってくれたりしてくれる彼女だが、近頃はご主人もこのノートを使うようになったそうである。お二人は来年はどの柄にされたのだろう?
私はまさに「ラストシップ」イメージの柄を手に入れることが出来た。マリンブルー色の地に碇のイラストが散りばめられている。今の私にはこれしかないだろう。購入した後に知ったのだが、風水的に来年のラッキーカラーは「ブルー」だそうで、特にマリンブルーのような色が良いそうだ。幸先が良いような気がして嬉しいが、それよりも何よりも、ノートに書き入れた事柄をどうやり遂げるかの方が大切なことは分かっているつもりだ。計画を立てただけでやったつもりになってしまうようなお目出度い私は気を付けなければいけない。