2021年5月31日

286  ありがとうの不思議

 YouTubeは今迄はあまり見なかった。
せいぜい知人のミュージシャンや舞台人たちのライヴや公演を観るだけだった。自分が制作に関わった公演をアップしたりしているのにだ。何かしっくり来なかったのだ。去年からの自粛のせいで時間も空いたせいか、ついでにちらちらと見る内にかなりハマってしまった。
最初は動物。犬や猫たちを見ていると飽きない。特に子どもの動物はカワイイ。繰り返し見てしまう。笑えるしこんな世の憂さ晴らしにはもってこいだ。
次は自己啓発関係の物。私はこの手の物が苦手で、本屋で見かけてもななめ読みがせいぜいだった。YouTubeにも胡散臭いのや力み過ぎのがあってうるさいだけだ。その隙間をぬって私の心を捉えたのは、小林正観さんだ。残念ながら10年前に亡くなっている。1948年生まれの団塊の世代。元全共闘。中央大学法学部だというので、北方謙三と一緒に棒を振り回していたのかな…全共闘ともあれば、ごりごりの唯物論者であろう。本人もそう言っている。だから、こういう啓発系に行かないだろうになあという疑問が出て、確かめたくてつい2、3の講演を見てしまったのだ。出会いとはこんなものだ。とぼけた話し方、簡単なようで深い話、講演会場は笑いに溢れている。
彼が提唱していることは色々あるが、私が今はまっているのは「有難うを唱える」である。これが難しい。まず、2万5千回、これで1ステージ、自分が何か変わったのを感じるはずだそうだ。えっ、と思う数だがその内に達成するだろう。例によって計画立てが好きな私はやる前から細かく計算してみる。1分で120回、10分で1200回、60分1時間で7200回、ぶっ続けは無理だろうけど、3時間30分は楽勝だとまた甘い結論を出す。やってみると楽勝どころか、10分もしない内に口が乾くし、すぐ雑念だらけになる。この有難うは心を込めるより回数が大切だと言うが、第1ステージ達成するまでにネガテイブな言葉を発するとそれまでのカウントが無効になってしまうのだそうだ。2万4千回くらいまで行って無効なんてことも結構あるそうで、雑念が多い私の道は遠い。例えば「全く暑いなあ」「ジメジメして気持ち悪いなあ」などと天気のことでも不満を口にしたら無効。なかなか積みあがらない数を繰り返すより、不平不満や愚痴を口にしない自分を構築する努力をした方が達成の道は近いのかもしれない。そう考えるとなかなか深いのだ。
やりますよ!勿論!