2020年2月11日

239  霧のハノイ

ベトナムは今は梅雨時。小雨か霧か世界一汚れているというスモッグの空。六日間滞在して一度も青空は見なかった。
でも暗い感じはしない。実にエネルギーに溢れているのだ。若者が多く、街は喧騒と猥雑さに満ちて、とても魅力的だ。クラクションの音が響きわたり、聞きしに勝るバイクの群れ!まるで曲乗りのバイク隊が車すれすれを縦横無尽に追い越し、横切る。見ほれるばかりだ。後ろに乗る者も運転手にしがみついたりしない。ポケットに手をつっこんだまま軽々と乗り慣れたものだ。真ん中に子どもを乗せたりしている家族もいる。山のように荷物を積んだ人もいる。毎日飽きずに見とれていた。
一方、郊外に行くと田圃が広がり、農耕牛がいて昔の耕運機があり、手植えで田植えをしている。日本の50年前の田園風景だろうか。
新旧混在。発展途上の魅力とはこういったところにあるのだろうなあと思う。

そして、とうとう本物のコピ・ルアックを飲んだ。150000ドン。やっぱり高い?いえいえ、日本円だと750円。勿論、ベトナムでは高い。確かに美味しかったが、日本で1万円は出せないな。
料理は何でも美味しかった。フォーなんて毎朝食べに行ったものだ。ベトナム人は外食好きで朝からフォーを食べに出かけるそうだ。

どの国に行っても何か舞台を観に行くが、今回は伝統芸能を観たかったので、水上人形劇に行った。内容は豊作豊漁を寿ぎ国の発展を願うという、伝統物として万国共通のテーマの物であった。浄瑠璃ならぬ京劇風な語りや古めいた楽器がオリエンタル情緒を醸し出していた。

次は青空が見える季節に、もう一度訪ねてみたいものだと思う。