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久しぶりの快晴。気温は30度を超え、真夏日だ。
晴れると交感神経が刺激され活動的になり、気分も高揚するが、今日はやたらと足が震えて気持ちが悪い。交感神経と副交感神経のバランスが悪いのだろう。
バランスの悪さは、昨日までの天気と今日の天気の落差の影響に違いない。ちっぽけな私は自然の一部に過ぎない。
2019年7月24日
2019年7月14日
218 ポーランド映画「あの歌、2つの心」
病気の為に長く座っていられないのと脚が震えて隣席に響くのが気になって、ここのところ映画館には遠ざかりがちだが、気になる映画はどうしても映画館で観たい。ポーランド映画、大戦後のヨーロッパ、歌手とピアニストの恋、亡命、と聞いたら、観ない訳にはにはいかないだろう。平日の空いている映画館に出かける。もっともこういう映画は混んだりはしないけど…
ポーランド映画は3年程前に観た「パプーシャの黒い瞳」以来だろうか。この「あの歌、2つの心」と共に第二次大戦後の激しいポーランド現代史の話だ。深いテーマをモノクロの美しい映像と抑制された演出で淡々と見せる手法も共通している。それが却って心に響く。アニメやCGがもてはやされる昨今、極彩色に辟易している目や心にモノクロが優しく心地良い。
「あの歌、2つの心」には、全編を通して魅力的な楽曲が流れる。マイルス・デイヴィス、エラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリディ、グレン・グールド、……そして、ポーランド音楽。繰り返し流れるメインテーマも物悲しく美しい。音楽映画の傑作と言っても過言ではないだろう。
ワイダの「灰とダイヤモンド」などの東欧ヌーヴェルバーグに継承されていく、時代の背景も鮮明に浮かび上がってくる。原題の「Cold War」は、まさに当時の時代背景そのものだが、その時代に翻弄される男女の激しくも哀しいラブストーリーだ。
それにしても、スターリンの圧政とは、と思う。
私が制作に関って20年になる、石橋幸のロシア俗謡コンサートで歌う曲もスターリンの圧政下で禁止された唄が多い。それを庶民やジプシーが密かに歌い継いだ物を石橋が自ら収集して歌っているのだが、その中には、スターリン賛歌を歌わなかった為にシベリア送りになったワジム・コージンの唄もある。彼は「私が歌うのは愛の唄だけです」と、生涯を通じて信念を貫いた。
ポーランド映画は3年程前に観た「パプーシャの黒い瞳」以来だろうか。この「あの歌、2つの心」と共に第二次大戦後の激しいポーランド現代史の話だ。深いテーマをモノクロの美しい映像と抑制された演出で淡々と見せる手法も共通している。それが却って心に響く。アニメやCGがもてはやされる昨今、極彩色に辟易している目や心にモノクロが優しく心地良い。
「あの歌、2つの心」には、全編を通して魅力的な楽曲が流れる。マイルス・デイヴィス、エラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリディ、グレン・グールド、……そして、ポーランド音楽。繰り返し流れるメインテーマも物悲しく美しい。音楽映画の傑作と言っても過言ではないだろう。
ワイダの「灰とダイヤモンド」などの東欧ヌーヴェルバーグに継承されていく、時代の背景も鮮明に浮かび上がってくる。原題の「Cold War」は、まさに当時の時代背景そのものだが、その時代に翻弄される男女の激しくも哀しいラブストーリーだ。
それにしても、スターリンの圧政とは、と思う。
私が制作に関って20年になる、石橋幸のロシア俗謡コンサートで歌う曲もスターリンの圧政下で禁止された唄が多い。それを庶民やジプシーが密かに歌い継いだ物を石橋が自ら収集して歌っているのだが、その中には、スターリン賛歌を歌わなかった為にシベリア送りになったワジム・コージンの唄もある。彼は「私が歌うのは愛の唄だけです」と、生涯を通じて信念を貫いた。
2019年7月5日
217 パーキンソン病奮闘記 -6 / 主治医
「長い付き合いになるよ」
検査の結果、病名が確定された時の主治医の第一声である。
薄々は予測していたが、病名を宣告されて頭の中を色々な思いがグルグルと巡る中、長い付き合いとは病気?これから飲み始める薬?この目の前の医師?と、ぼんやり考える。結局はその全てなのだけど。
病院には長年行っておらず、これからも無いだろうと思っていた。よもや主治医と呼ぶような関係の医師との付き合いが始まるとは思いもしなかったことだ。S先生は信頼する人の紹介ということもあり、まずは第一段階はクリアしており、第一印象もとても良かった。失礼ながら、気取りが無く軽口を叩けるような方でもあり、私の素っ頓狂な物言いにも軽妙に受けて下さる。
大袈裟に心配する私に「君が急に悪くなる心配より、大地震でも心配した方が現実的だよ。近頃は突発の交通事故もあるしさ」「勉強も良いけど、あまり勉強しないようにね、不安になるから」と、心配を取り除いて下さる。それでも、我慢出来ずににわか勉強をして素人の質問をする私に「また勉強してきたな、仕方ない、教えてやろう」と、脳の模型をパカッと開けて説明して下さる。歩き方も良くなって、病気も治ったがごとく有頂天になっているお調子者の私に「山あり谷ありだよ」と釘を差すのも忘れない。この分野の重要ポストを歴任してきた偉い先生なのに丁寧で思いやりのある診察だ。話もよく聴いて下さり、つまらないことを言っていないで黙って付いてくれば良いんだ、というような高い所に居る方ではない。
「オレ、そんなこと言ったっけ?」なんて、トボけた物言いをすることもあり、笑わせてくれる。キャラクターが豊かでとてもチャーミングだ。「オレにそんなこと聞くの?」って、こんなことを聞けるのは先生だけでしょ?
河合隼雄に「患者は皆、精神科医に恋してしまう」という名言がある。私が通っているのは神経内科だが、人の心を大切にしたS先生の診察はまるで精神科のカウンセリングのようでもあり、弱った時の患者の気持ちが分かるような気がする。私もちょっと恋しているのかもしれない。(笑) 絶対に飲むまいと思っていた薬を飲んでいるのはそのせい? でも、そのお陰で姿勢も歩き方も良くなった。
そんな素敵な先生なので、私の話を聞いて、診てもらいたいという友人が二人も出てきた(ガタがくる年齢なのだ)が、予約が取り難い。先生も「あまり宣伝しないように」とおっしゃる。公人なので実名を出しても問題ないと思うし、ネットで調べればお名前もすぐ分かることだけど、ここでは敢えてS先生とした。宣伝すると、大好きな先生に叱られるので。
ウン年前の? S医師
検査の結果、病名が確定された時の主治医の第一声である。
薄々は予測していたが、病名を宣告されて頭の中を色々な思いがグルグルと巡る中、長い付き合いとは病気?これから飲み始める薬?この目の前の医師?と、ぼんやり考える。結局はその全てなのだけど。
病院には長年行っておらず、これからも無いだろうと思っていた。よもや主治医と呼ぶような関係の医師との付き合いが始まるとは思いもしなかったことだ。S先生は信頼する人の紹介ということもあり、まずは第一段階はクリアしており、第一印象もとても良かった。失礼ながら、気取りが無く軽口を叩けるような方でもあり、私の素っ頓狂な物言いにも軽妙に受けて下さる。
大袈裟に心配する私に「君が急に悪くなる心配より、大地震でも心配した方が現実的だよ。近頃は突発の交通事故もあるしさ」「勉強も良いけど、あまり勉強しないようにね、不安になるから」と、心配を取り除いて下さる。それでも、我慢出来ずににわか勉強をして素人の質問をする私に「また勉強してきたな、仕方ない、教えてやろう」と、脳の模型をパカッと開けて説明して下さる。歩き方も良くなって、病気も治ったがごとく有頂天になっているお調子者の私に「山あり谷ありだよ」と釘を差すのも忘れない。この分野の重要ポストを歴任してきた偉い先生なのに丁寧で思いやりのある診察だ。話もよく聴いて下さり、つまらないことを言っていないで黙って付いてくれば良いんだ、というような高い所に居る方ではない。
「オレ、そんなこと言ったっけ?」なんて、トボけた物言いをすることもあり、笑わせてくれる。キャラクターが豊かでとてもチャーミングだ。「オレにそんなこと聞くの?」って、こんなことを聞けるのは先生だけでしょ?
河合隼雄に「患者は皆、精神科医に恋してしまう」という名言がある。私が通っているのは神経内科だが、人の心を大切にしたS先生の診察はまるで精神科のカウンセリングのようでもあり、弱った時の患者の気持ちが分かるような気がする。私もちょっと恋しているのかもしれない。(笑) 絶対に飲むまいと思っていた薬を飲んでいるのはそのせい? でも、そのお陰で姿勢も歩き方も良くなった。
そんな素敵な先生なので、私の話を聞いて、診てもらいたいという友人が二人も出てきた(ガタがくる年齢なのだ)が、予約が取り難い。先生も「あまり宣伝しないように」とおっしゃる。公人なので実名を出しても問題ないと思うし、ネットで調べればお名前もすぐ分かることだけど、ここでは敢えてS先生とした。宣伝すると、大好きな先生に叱られるので。

ウン年前の? S医師
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