2017年6月25日

144 天才棋士の勝負メシ

14才の天才棋士、藤井聡太君がとうとう連勝記録トップタイの偉業を成し遂げた。いよいよ明日は単独トップの記録更新をかけた試合だ。暗いニュースばかりの中、こういった話題は心浮き立ち楽しい。
中学生とは思えない彼の言葉使いも話題になった。「僥倖」「望外」「醍醐味」等々、それが彼の口から出ると不自然ではない。大変な読書家ということだが、将棋界という日本文化の世界ではそういった日本語も違和感なく使われるのだろうか。「チョー何とか!」なんて絶対言わないし、受け答えも思慮深い。ちょっとタレ目で親しみが持てる風貌だから、ただ堅苦しい優等生という雰囲気でもないところが感じ良い。
記録をかけた明日の試合は、東京の将棋会館で行われる。この将棋会館というのが、我々の事務所に近いものだから、彼が出前を取る店も共通していて「私達と同じよね!」と、にわかに色めき立った。ここがまったく凡人たる所以である。
天才少年の影響で出前が殺到し、いつもすぐ来るお蕎麦屋も何十分待ち、お店も大混雑だそうだ。もう一つの中華屋も藤井君メニューを値引きサービスしていて、早速取ったりしているミーハーの私だ。

「みろく庵」の味噌煮込みうどん








「紫金飯店」の五目焼きそば

2017年6月15日

143 やっぱりスティングは最高!

武道館で行われたスティングのコンサートに行く。6年ぶりだそうだ。その時行った姪と今回も一緒だ。コンサートから一週間経つがまだ感動が鮮やかに残っている。
最新アルバムの“57th &9th”の世界観そのもののロック感に満ちたステージだった。確かな演奏と、研ぎ澄まされたサウンド、派手な演出もなく巧みな構成で硬質なロックっぽいステージであった。ジャズやクラシックなどに傾倒した趣向の時のスティングも素敵だったが、ロックミュージシャンとして素のスティングが清々しい。声も体力もまったく衰えていない。新曲ばかりではなく、代表曲も何曲もやってくれて、舞台も客席もどんどん盛り上がる。見事だ!スティング!
名曲と名演奏でエネルギッシュに駆け抜けたステージだったが、アンコールではアコースティックギターに持ち替えて名曲中の名曲“Fragile”でしっとりと閉めた。座席が東側サイドだったので、全てを終えて舞台袖に静かに退場するスティングの後姿が目に焼き付いている。
そんなかっこいいスティングだが、彼も人の子(人の親と言うべきか)、親バカチャンリンの一面を見せた。息子のJoeを紹介し、“my son!”と3、4回は呼んだかな。前座で何曲も歌わせた。JoeはスティングのDNAを感じさせるところもあり悪くはないが、良くもない。とにかく魅力がない。42才というが、65才の父親スティングよりオジサンぽい。42才といえばスティングが一番かっこよかった年頃だ。Joeは「ニホンジン、ヤサシイ」と言う。当たり前だ!オメエの歌を文句も言わず静かに聞いているのは日本人くらいだ!そんな気持ちで彼の歌を聞いていた私はイライラしてもう少しで爆発しそうだった。隣の席の姪は「おばちゃんがいつ怒り出すかひやひやしてた」と休憩の時に言う。後が良ければいいさ。休憩後の本番の素晴らしいノンストップパフォーマンスで、そんなものは払拭された。むしろ、バックコーラスのJoeは上手いし感じも良かった。
今6月だが、今年一番のステージだ!と言い切る音楽家もいるくらいだから、一生の中でも上位に入るステージになるに違いない。それに立ち会えたのは、それこそ僥倖であるというべきだろう。










規制しようが無いらしく、今やスマホ撮影は許可されているのだ!姪に撮らせた。

2017年6月5日

142 もうすぐStingのコンサートだ!

昨日6月4日は待ちに待った完全OFF日だった。5月14日以来だ。殊にこの2週間は夜のお座敷(付き合いの芝居やコンサート、勿論飲み会も) がびっしり入っており、数日前から休みが待ち遠しかった。休みを心待ちするなんてかつてはあまり無かったことだ。こんな時は心から年取ったなあと思う。
何時までも心ゆくまで眠ろうと思うが、悲しいかな7時前にはいつものように目が覚める。こんなことも若い頃は無かったものだ。つくづく年取ったと思う。だが、前夜はバッタンキューでかなり熟睡したのでそんなに疲労感は無い。せっかくの(?)休みだ。午前中はベッドの上でグダグダする。昼食には勿論、ビールをグッとやる。そして昼寝をしたりまたグダグダ…これが私にとっては休みらしい休みであり、ちっとも建設的では無いが、テキパキと何かをやったりするのは仕事日で充分だ。
そして、グダグダしながら一日中Stingを手当たり次第聴く。いよいよ明後日はStingの来日公演だ。何年振りだろうか。楽しみで仕方ない!以前にも書いたことがあるが、Stingにあやかってこのブログの表題「ラストシップ」をつけたくらい大好きなミュージシャンなのだ。
The  Soul  Cages”やThe Last Ship”など、叙事詩的な文学作品とも思えるアルバムを聞いていると彼が哲学者のようにも見えてくる。人生と向き合うStingの中心的テーマは、いつも「自己発見」だ。風貌も知的で繊細だし、これからどうなっちゃうのって感じだが、それらの作品を越えて作った最近の“57th & 9th”は、ポリス時代を彷彿させるものがありロック魂は健在だ。全体的にどのアルバムにも散りばめられている物悲しい楽曲はStingならではだし、かっこいい!の一言に尽きる。同世代としていつまでも活躍して欲しいと切に願う。