日本におけるハンセン病への差別は根深い。治る病気、伝染しない病気と認識されてからも「らい予防法」はむしろ強化され、平成8年にやっと廃止された。坂手はその酷い差別の歴史を振り返り、過去を忘れてはいけない、見つめよと訴える。
最近、映画「あん」でもハンセン病問題が扱われた。こういった過酷な体験、差別を受けた方々も高齢になった。戦争体験者も高齢化している。まだ彼らが生きている内に、もっと生の声を伝えるべきであろう。日本が本格的な健忘症国家になってしまう前に。
それにしても、差別とは想像力の欠如に他ならない。
ジョンレノンは30年以上前に想像力の力を「イマジン」によって、訴えていた。感動と共に聞いたあの頃、21世紀には少しはこの歌の内容に近づいているだろうかと思ったものだが、世界はますます混迷の度合いを深めている。今や、第三次世界大戦が起こりかねないような状況だ。

