2015年12月27日

89 新宿PIT INN 50周年記念フェスティバル

忙中閑あり、この師走にジャズコンサートに行く。あのPIT INNが50周年だと言うので特別な感慨もあったのだ。
私たちの世代は紀伊國屋書店裏にあった時の店によく並んだものだった。今や日本ジャズ界の大御所達も当時はまだ若く、エネルギーをほとばしらせていて客席もけんか腰だったりして、PIT INNはその時代を大きく反映していた。多くの店が無くなった中で、よくぞここまで続けたものだと思う。
客席はさぞや団塊の世代が多いだろうと思ったら、若い人もそれなりに居る。司会の菊地成孔による客席アンケートの拍手の反応によると、50、60代が多く、パラパラの拍手ながら80才代以上の人も居る。いいなあ、80才以上になってもジャズコンサートの会場に足を運ぶなんて。10才以下と100才以上は居ないが、その他の世代は網羅していて、沖縄県以外の都道府県から集まって来ていることも判明。大ホールはほぼ満席で、ジャズファンだけあって客達は何となくあかぬけている。そんな大盛況の中、オジさん達が熱い!
渡辺貞夫、日野皓正、山下洋輔、坂田明、佐藤允彦、渋谷毅….超絶技巧で若者もぶっ飛ぶ音を出している。勿論、次世代も頑張ってはいるが、自由な音楽の象徴でもあるジャズを心から体現しているのは、このオジさん達だ。戦後復興期とジャズのプログレス期が一致していた時代を生きてきたからに違いないと思う。
長時間のコンサートにもかかわらず、飽きもせず大いに楽しめた。疲れるどころか飛び切りのエネルギーをもらってきたのだった。それがジャズという音楽の力だろう。明日からもうちょっと頑張れるかな…






2015年12月17日

88 「お召し列車」 燐光群公演

燐光群は好きな劇団の一つである。作・演出の坂手洋二には「天皇と接吻」という名作があり、天皇制問題は彼の重要なテーマでもあるので、その方面のストーリーと思いきや何とハンセン病がテーマであった。天皇を乗せるための特別列車である「お召し列車」の名称が、ハンセン病患者を国立療養所に集めるために運行した列車の隠語としても使われていたのだと言う。何という皮肉であろう。日本が戦争に向かう頃、ハンセン病患者への差別が強まり、その隔離のための「強制収容列車」が繁茂に運行されたのだそうだ。
日本におけるハンセン病への差別は根深い。治る病気、伝染しない病気と認識されてからも「らい予防法」はむしろ強化され、平成8年にやっと廃止された。坂手はその酷い差別の歴史を振り返り、過去を忘れてはいけない、見つめよと訴える。
最近、映画「あん」でもハンセン病問題が扱われた。こういった過酷な体験、差別を受けた方々も高齢になった。戦争体験者も高齢化している。まだ彼らが生きている内に、もっと生の声を伝えるべきであろう。日本が本格的な健忘症国家になってしまう前に。

それにしても、差別とは想像力の欠如に他ならない。
ジョンレノンは30年以上前に想像力の力を「イマジン」によって、訴えていた。感動と共に聞いたあの頃、21世紀には少しはこの歌の内容に近づいているだろうかと思ったものだが、世界はますます混迷の度合いを深めている。今や、第三次世界大戦が起こりかねないような状況だ。













2015年12月7日

87 ◯


寝込みもしないし具合は悪くないのだが、私には珍しく、風邪っぽい状態が続いていてスッキリしない。まあまあ元気ではある。