2014年5月17日

20 トランクへ入れる物-その2 / 化粧品

この4月から、一ヶ月一アイテムくらいの目標で整理を始めたが、今月は化粧品にしようと思う。若い頃と違い、洒落っ気も無くなり随分とシンプルになってきているので、化粧品は片付け易い物の一つだ。
三年前、駒場の一軒家を出る時に、全ての物の大整理をした。口紅もマニキュアもその時に何十本も捨てたのに、まだそれなりに残っていた。若い頃は、服装やその日の気分に合わせてまめに塗り変えていたものだが、今やその余裕が無い。今はマニキュアは爪を保護するのが目的みたいになっているので、透明な物と薄いピンクがあれば充分だ。口紅はピンク系とベージュ系の薄いのと濃いのとを小さなパレットに入れておけば、組み合わせでそれなりに色は作れるから、ほとんど間に合うだろう。
そもそも、30代中頃からファンデーションはぬらないで、眉、アイラインを描き、口紅を塗るだけの化粧をしてきた。「化粧は老化を際立たせる」と、ある時気がついたからだ。周りを見れば見るほどそれを確信した。特にファンデーションの厚塗りはいけない。「ヒビ」が皺の存在を目立たせる。若い頃の流行を引きずったブルーやグリーンのアイシャドーも弱った目尻が強調される。それに肌を痛めそう。以来、ファンデーションをつけなくとも良い素肌作りを目指したが、この齢になると見た目でその効果のほどを云々するのは何とも難しい。そんな私も着物を着たりフォーマルな服装をする時は、パウダーファンデーションをぬり頬紅をはたいたりするが、その時は肌が重いような気がする。すっぴん肌に風を受けるのは気持ち良いし、汗もしっかり拭け、思い切り笑える。
これからもまだハレの場所はあるだろうから、その為の化粧品は2、3残しておくとして、普段はペンシルと口紅以外は要らない。小さなポーチで充分だ。化粧品全部入れるにしてもそんなに大きなポーチは要らない。
化粧水は手作りの物。漢方医に教えてもらった物を自分なりにカスタマイズした。材料は全て食べても安全な物なので何よりも安心だし、シワ、シミにも効果があるような気がする。歳をとると出来る小さなイボも消えたと妹も言っている。基本はこの化粧水一本だけだが、乾燥している時や、たまにファンデーションを塗る時の下地の為に乳液も一つだけ用意している。顔そり時にも使い、便利な一本だ。基礎化粧品はこの2本で充分。
香水はもう不要かと思うくらい最近はめったにつけないが、残っている物だけでもたまには気転換に使ってみようかと思う。終わったら、もう買い足さない。今までで一番使ったのが「シャネル№19」だ。マリリンモンローはセクシーさのイメージと共に№5をすっかり有名にしたが、№19は爽やかで清潔感がある匂いで好ましい。トップノートもラストノートも良く、私の体臭にも合っていたようだ。私が19才の時に発売され、誕生日が19日でもある私は数字のごろ合わせも気に入ってすっかり愛好者になった。「カボシャール」は30代後半くらいから使い始めただろうか。「強情ぱり」という意味の名前も気に入って、その名の通りキリッと強い感じがするので、№19では物足りない時や、気が張る打合せの前などには気合いを入れる為にそっとつけたりしたものだった。

風呂用品に関しては、これほどシンプルには出来ないだろうという自信がある。極端に言うと石鹸一つあればそれで良いのだ。泡たてネットでふんわりと泡をたてて、それで顔も身体も髪も洗う。この石鹸は、従妹が子どものアトピー性皮膚炎に悩み、研究して作ったハーブ石鹸だ。
髪も!?と驚く人もいるが、よく泡立てれば洗い心地にまったく問題ない。すすぐ時と乾かす時にキシキシするが、乾いてしまえば同じだ。多くの市販のシャンプーなどは滑らかにする為とか良い匂いをつける為に化学合成物質を使う訳だから、むしろ多少のきしみ感などには「身体に良い物を使っている」という満足感の方が勝るのだ。
タオルは要らない。手のひら洗いだ。手のひらで優しく優しく、自分の身体をこんなに労われるのは自分だけだ。身体の異変に気がつきやすいのも手のひら洗いの良いところである。世の中にはバスタブにゆっくり浸かるだけで石鹸を使わない人もいるくらいだ。いずれにしても、石鹸をつけたタオルやブラシでゴシゴシこするのは皮膚には良くないような気がする。ほんのたまに背中をこすりたいことがあり、その時は柔らかいブラシでそっと「痒い所に手が届く」ようにしている。
まとめて写真を撮ってみたが、この少なさが嬉しい。これに満足している自分にも満足だ。

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