2014年8月25日

32 トランクへ入れる物-その5 / 辞書 /本の処分-1


8月の整理アイテムは、辞書と英語関係の本だ。
本は油断しているとどんどん溜まってしまう。処分し難い物の一つでもある。三年前に駒場を出る時に、まず収納場所を無くそうと思い、大きな本棚を二台処分して、本はダンボール6箱にまで減らした。だが、三年経った今春の引越しの際には新たにまた6箱増えていて、がっくりした。増える理由は、多忙で図書館に行く時間が無いことと仕事の資料が多いことだ。
現役引退後は図書館に通うつもりだ。仕事の為の資料も不要になるし、好きな物だけ読もう。結局、現役中は増えるのも仕方ないだろうが、せめて細目に整理しようと思う。
本の中でも捨て難いのは辞書だと言う人が多い。辞書だけは絶対捨てられない、と言った友人もいる。誰でも、自分の本の中で一番手に取る機会が多いのは辞書だろう。自分の知の元でもあり、自分の手癖が付いていて、愛着はひとしおである。あの独特の紙(インディアン紙というらしい)の手触りも捨て難い。それを今回は処分しようという訳である。
辞書が無い生活など考えられないので、代わりに電子辞書を購入した。これには持っていた辞書は全部入っているし、英会話や歳時記、小説まで入っている。大きさはほとんど文庫本一冊だ。処分する辞書類を並べてみると、結構な場所を取り重いので、この差は大きく、片付け満足度は大である。ただ、事務所では相変わらず広辞苑をめくっている自分がおり、自分ながら苦笑している。
今回は同時に英語関係の本も処分しようと思う。英語の本もやっかいだ。わずか10日間で~、5行で分かる~、たった100単語で~、これならすぐ喋れる、今度こそペーラペラ!というようなうたい文句につられて、つい買ってしまう。ただ聞くだけというやつにもまんまとやられている。しかも二度もだ。まだカセットテープの時代に一度試して失敗したのに、それを忘れてまたやってしまった。楽ちんの誘惑に負けてしまう私がここにもいる。もとより通訳や翻訳をしようという訳では無く、好きな曲の歌詞や映画の台詞がもうちょっと理解出来たらいいなあというような程度のことなのだが、楽には身につかないものだ。
好きな映画の台本を読んだりもしたが、勉強とは繰り返さなければならないものなので、どんなに好きな映画でも一本を何度も観るよりなるべく沢山の映画を観たい私にはこの勉強法は向かなかった。小説もしかりである。サリンジャーもオースターも頓挫した。生活に密着した物だったら身に付き易いだろうと思い、起きてから寝るまでの英語のテープを睡眠学習よろしく寝る時に流したりもしたが、大概起きてから電車に乗るくらいまでで意識が無くなり、会社までたどり着くのは稀だった。旅行の英会話というのも聞き流しながら眠りについたが、飛行機内で飲み物を頼んだりするくらいまでが関の山で入国審査まで行くのは稀、無事に入国して食事をしたり買物をするところまでは行かず、まるで英語が子守唄のようでよく眠るばかりだった。

これから、楽をせずに頑張って英語の勉強をしたところで大したことは無いだろう。その分の時間を有効に使った方が良いのは明らかである。例えば、面白い映画を観るとか。
買ったばかりのピカピカの電子辞書には英会話の教材も何本か入っており、この何十冊の英語本を処分したところで困ることは無いのだ。



2014年8月17日

31 〇

19日、30日、31日の公演準備で多忙。先週も二日間、催しがあり。
あっという間に8月も終わってしまいそうだ。

2014年8月8日

30 トランクへ入れる物-その4 / 靴

7月の整理アイテムは靴だった。
やはり何年も履いていない靴が沢山あった。この頃は楽な靴ばかりを履いているような気がする。おまけに最近は膝が不調ときているから尚更である。
でも、それでは駄目なんだ!と気合を入れる友人がいる。彼女は何十年も体型が変わらず(変わらないようにしている)細身のジーンズも穿きこなしている。何事も自分に気合いを入れる派で化粧水もパンパンと顔に叩きつける。甘やかしてしまっては衰えるという主義だ。若い頃と変わらない体型でハイヒールをカツカツッとさせて闊歩している。50才を過ぎても赤いハイヒールで舞台を走り回っていたティナターナー、カッコよかった! オノヨーコも70才を超えてもハイヒールが似合っている。かっこよさより楽を選んだ、自分甘やかし派の私はとてもそんな真似は出来ない。

冠婚葬祭兼用オールマイティの5センチヒールのプレーンパンプスを一足残したら、もうヒール物は要らない。ハイヒールにはこれでお別れ。とにかく履き心地最優先、脱ぎ履きも楽な物が良い。立ったまま履いたり脱いだり出来たら最高。そういう意味でも、この数年愛用しているのが、AKAISHIのクロッグだ。最初のきっかけはスタッフの一人から薦められたことだが、履いた途端にその履き心地の良さに驚いた。足にぴたっとすいつき履いていないように軽い。聞けばなるほど、人間工学的にも考慮されている物だそうだ。一時はこればかりを履いていたので周りの人からも注目され、私の影響であっという間にスタッフ、友人、家族(70代の叔母にも!)など周りにも拡散した。ある日居酒屋へ行った時、三和土に同じ靴が並んだのには笑った。だが靴とは不思議なもので、同じ靴でも自分の物は分かるものだ。ましてや履いたら一瞬で気がつく。酔っぱらって他人の靴を履いて帰ってしまったというような話を聞くこともあるが、酒で数々の失敗をしている私でさえ靴を間違えたことは無い。
ところで、このクロッグが良品を扱うことで定評がある「通販生活」でも取り扱われ出した。良い物が広がることは好ましいことだが、ついあの居酒屋の光景が浮かび苦笑してしまう。

バッグの時に決めたルール「ハレ、ケ、予備」の観点で選り分けてみたら、計12点になった。やはり最後はこれでも多いだろう。捨てられなかった物としては、残す物のパターンにあてはまっていてまだ新しい物だが、これは予備の予備として残しても、何か壊れたり古くなってしまった時に交換すればいずれ消耗するだろう。そのくらいはまだ生きる予定だ。