「これチョキチョキしてパッチンしてくれない?」
何と40代のスタッフに向かって、私の口から思わず出た言葉だ。家族や事務所のスタッフのにわかのベビーブームで、このところ赤ちゃんや小さい子に触れる機会が多いせいか、無意識に赤ちゃん言葉が出てしまった。その上最近オノマトペ辞書を買ってしまい、面白がってパラパラやっていたせいかもしれない。この辞書の正式名は「ぎおんごぎたいごじしょ」という。
辞書類は随分前に処分して文庫本一冊分の大きさの電子辞書にしたものだったが、電子辞書は使い慣れると大変便利で、何十冊分の辞書辞典類を内蔵しており、本棚の40センチメートル程を占めていた場所もすっきりした。しかし、何でも入っているようでオノマトペ辞書だけは入っていなかった。ある時、書店のオノマトペ辞書のコーナーで何冊かをパラパラやっている内にとても愉快になって、中でもイラストや写真を多用して見ためも楽しいこの辞書を購入した。「あたふた」~「わんわん」まで、遊び心がいっぱいだ。「ねちねち」には細々とびっしり4ページを割いており、「ぱらぱら」にはパラパラマンガを22ページも使っている。辞書というより楽しい読み物だ。せっかく辞書類は処分したが、より良い生活や楽しみの為に新たに物を購入するのは厭わない。
日本語はオノマトペも豊富だという。表現の豊かさに一役も二役も買っているのに違いない。だが、冒頭の私のようにややもすると幼児語になってしまうので使い方に注意も必要だ。どの道大人の言葉を覚えなければいけないので、子どもには幼児語を使わせるべきではないという意見があると聞いて驚いたことがあるが、大人の言葉を教えても、口が回らない結果、たどたどしくなってしまうのが幼児語だ。まして幼い子の口から聞けば誰だって顔がほころんでしまうだろう。
言葉は豊富な方が良い。
2017年4月26日
2017年4月16日
137 春が来た! /「子どものための日本文化教室」開講
4月は何かと始まりの月だ。
「子どものための日本文化教室」第13期も始まった。3才からの子どもを預かる教室なので、色々な意味で気遣いが必要だ。今年は泣く子も一人もいなかったので、やれやれだった。親と離れてのお稽古だから、子ども達も皆最初は緊張気味だ。そこへ泣く子が一人でも出てくると、我慢の糸が切れてつられて泣く子も出てくる。そうなると大変なので、こちらの講師もスタッフも油断はできない。特に初日が勝負だ。とにかく飽きさせないこと、興味を持たせることでお稽古に集中させると、親と離れることにも慣れてくる。
例年、第一回目は「ご挨拶の作法」で、玄関の上がり方、襖の開け閉めから習い、和室での振る舞いを身につけるのだ。正座の仕方、足のくずし方、立ち方も学ぶ。大人でも大変なことを子どもに強いるなんて拷問にも等しいと言った人もいるが、体重が軽くて邪念のない子どもの方がピタッと座れるのだ。
正座とは正しく座ると書くように、正しく座りさえすれば実は楽な姿勢だとも言われている。寝る前に一日一回で良いから、目を閉じて一分くらい座ると心が落ち着き安眠できると教えられたが、ほぼ毎夜ベロンベロンでは正座の前に足がもつれてネンザでもしかねない私である。
「子どものための日本文化教室」第13期も始まった。3才からの子どもを預かる教室なので、色々な意味で気遣いが必要だ。今年は泣く子も一人もいなかったので、やれやれだった。親と離れてのお稽古だから、子ども達も皆最初は緊張気味だ。そこへ泣く子が一人でも出てくると、我慢の糸が切れてつられて泣く子も出てくる。そうなると大変なので、こちらの講師もスタッフも油断はできない。特に初日が勝負だ。とにかく飽きさせないこと、興味を持たせることでお稽古に集中させると、親と離れることにも慣れてくる。
例年、第一回目は「ご挨拶の作法」で、玄関の上がり方、襖の開け閉めから習い、和室での振る舞いを身につけるのだ。正座の仕方、足のくずし方、立ち方も学ぶ。大人でも大変なことを子どもに強いるなんて拷問にも等しいと言った人もいるが、体重が軽くて邪念のない子どもの方がピタッと座れるのだ。
正座とは正しく座ると書くように、正しく座りさえすれば実は楽な姿勢だとも言われている。寝る前に一日一回で良いから、目を閉じて一分くらい座ると心が落ち着き安眠できると教えられたが、ほぼ毎夜ベロンベロンでは正座の前に足がもつれてネンザでもしかねない私である。
| 幼児の初日としては上出来!若い先生の方が辛そう(笑) |
2017年4月5日
2017年3月26日
135 おめでとう佐々木譲さん / 日本ミステリー文学大賞受賞
作家の佐々木譲さんが日本ミステリー文学大賞を受賞し、帝国ホテルで行われた祝賀パーティに仲間と共にわいわいとお祝いに駆けつけた。
譲さんとは、共に寅年の演出家の高橋征男、舞台監督の島洋三郎、制作の私とで「グループ虎」という演劇ユニットを組んでおり、譲さん原作の演劇を上演してきた仲である。初演は20年ほど前になるが、「新宿のありふれた夜」だった。これはもう何回も再演している名作で、「我撃つ用意あり」という題名で若松孝二監督が原田芳雄主演で映画化している。混沌としたディープな街新宿を舞台とした、路地裏の小さな飲み屋の学生運動くずれの中年の店主とベトナム難民の少女の物語である。
最近は譲さん原作のサスペンスドラマも放送されることが多くなったが、初期の頃の冒険小説の世界は壮大で、簡単に舞台化、映像化出来るような物ではなかった。男性ファンが多かったのもその頃だろう。その後、歴史、警察、法廷小説とジャンルを広げてきて、それぞれが譲さんらしく掘り下げた視点で描かれている。
何年か前に直木賞も受賞しており堂々のベテランであるといえるのに、ご本人は以前と変わらずいつも謙虚だ。受賞スピーチも「例によってあがってしまった」との弁だが、慣れきってしまうことがない生真面目な人柄だ。破天荒な作家ばかりを見てきた私は、そういう佇まいの譲さんがどうやって小説を書くのかとても興味があり、ある日稽古帰りの電車の中でたまたま二人きりになった時に思い切って聞いた。
それはどこからか降りてくるのだそうだ。何者とも呼べないものに書かされるのだと。それは大抵夜中だということだった。それを聞いて私は、「やっぱり作家なんだなあ」と感心したことを思い出す。
譲さんとは、共に寅年の演出家の高橋征男、舞台監督の島洋三郎、制作の私とで「グループ虎」という演劇ユニットを組んでおり、譲さん原作の演劇を上演してきた仲である。初演は20年ほど前になるが、「新宿のありふれた夜」だった。これはもう何回も再演している名作で、「我撃つ用意あり」という題名で若松孝二監督が原田芳雄主演で映画化している。混沌としたディープな街新宿を舞台とした、路地裏の小さな飲み屋の学生運動くずれの中年の店主とベトナム難民の少女の物語である。
最近は譲さん原作のサスペンスドラマも放送されることが多くなったが、初期の頃の冒険小説の世界は壮大で、簡単に舞台化、映像化出来るような物ではなかった。男性ファンが多かったのもその頃だろう。その後、歴史、警察、法廷小説とジャンルを広げてきて、それぞれが譲さんらしく掘り下げた視点で描かれている。
何年か前に直木賞も受賞しており堂々のベテランであるといえるのに、ご本人は以前と変わらずいつも謙虚だ。受賞スピーチも「例によってあがってしまった」との弁だが、慣れきってしまうことがない生真面目な人柄だ。破天荒な作家ばかりを見てきた私は、そういう佇まいの譲さんがどうやって小説を書くのかとても興味があり、ある日稽古帰りの電車の中でたまたま二人きりになった時に思い切って聞いた。
それはどこからか降りてくるのだそうだ。何者とも呼べないものに書かされるのだと。それは大抵夜中だということだった。それを聞いて私は、「やっぱり作家なんだなあ」と感心したことを思い出す。
2017年3月15日
2017年3月6日
133 平日に休む楽しみ
業界的に土日祝日は仕事のことも多く、もういい歳なんだし、平日に休日を作りたいと常々思っていた。水木と休めたら理想的だ。昨年身体の調子をくずした時から周りのスタッフにもブツブツと言っており、そろそろ浸透した頃でもあり、いよいよ決行だと先月は意気込んで休んだものの一回で頓挫した。スタッフにも笑われるばかりだ。木曜日に出勤してくれるKさんは安心して任せられるようになったことでもあるし、今月に入ってから、せめて木曜日だけでもと頑張って(笑)休んだ。
意気込んだり、頑張らないと休めない程の、私はワーカーホリックであったとも言えるだろう。私が休んだからといって誰もそう困ることはないはずなのに…
これからは木曜日の休みには自分の身体と心が喜ぶことをしようと思う。この間はまず歯の治療を再開し、仙骨の調整に行って、ゆっくりとランチを食べた。
そして午後は映画を観に行く。以前は忙しくても年に5、60本は観ていたものだがとんと減ってしまった。久しぶりの映画は軽く明るい物がいいなあと「ラ・ラ・ランド」にする。予告で流れているメイン曲も踊り出したくなるような楽しさだし、タイトルからして歌うように軽やかではないか!今年の賞レースで話題なので、噂の垢がつかない内にさっさと観ておこうとも思う。売れないジャズピアニストと女優の卵の恋物語という魅力的な話にも惹かれる。チャゼル監督は少し前に「セッション」で注目を浴びて作品もそれなりに面白かったが、鬼教官が何故このような鬼にならざるを得なかったかの説明が足りず、主人公の若い俳優に魅力がなく、少し物足りなかった。「ラ・ラ・ランド」の二人、エマ・ストーンとライアン・ゴズリングは決して美男美女ではないが、とてもチャーミングだ。ネタバレになってしまうといけないので、あまりここには書けないが、単純なハッピーエンドでないのが良い。どんでん返しかと見せるラストシーンの演出に異論を唱える人もいるだろうが、何もかも受け入れたセバスチャン(ゴズリング)の笑顔で終わるラストに胸がいっぱいになる。
この映画の何よりも素敵なところは、映画とジャズへのオマージュに溢れているところだ。映画を観ていればいるほど、ジャズが好きであればそれなりに、科白や背景の小道具にニヤッとさせられることだろう。私も好きで持っているビル・エヴァンスのLPジャケットなんかが出てきた時はニンマリだった。映像、音楽がとても良いので映画館で観たい映画の一つに違いない。
平日に休むことのメリットは、どこへ行っても比較的空いていること。ゆったり過ごして気持良く終えた休日の翌日は多少のことでは動じない。スタッフにも優しく出来る(かな?)。皆の為にもなるのだ。これからは絶対休むぞ!
って、リキむなってば。

意気込んだり、頑張らないと休めない程の、私はワーカーホリックであったとも言えるだろう。私が休んだからといって誰もそう困ることはないはずなのに…
これからは木曜日の休みには自分の身体と心が喜ぶことをしようと思う。この間はまず歯の治療を再開し、仙骨の調整に行って、ゆっくりとランチを食べた。
そして午後は映画を観に行く。以前は忙しくても年に5、60本は観ていたものだがとんと減ってしまった。久しぶりの映画は軽く明るい物がいいなあと「ラ・ラ・ランド」にする。予告で流れているメイン曲も踊り出したくなるような楽しさだし、タイトルからして歌うように軽やかではないか!今年の賞レースで話題なので、噂の垢がつかない内にさっさと観ておこうとも思う。売れないジャズピアニストと女優の卵の恋物語という魅力的な話にも惹かれる。チャゼル監督は少し前に「セッション」で注目を浴びて作品もそれなりに面白かったが、鬼教官が何故このような鬼にならざるを得なかったかの説明が足りず、主人公の若い俳優に魅力がなく、少し物足りなかった。「ラ・ラ・ランド」の二人、エマ・ストーンとライアン・ゴズリングは決して美男美女ではないが、とてもチャーミングだ。ネタバレになってしまうといけないので、あまりここには書けないが、単純なハッピーエンドでないのが良い。どんでん返しかと見せるラストシーンの演出に異論を唱える人もいるだろうが、何もかも受け入れたセバスチャン(ゴズリング)の笑顔で終わるラストに胸がいっぱいになる。
この映画の何よりも素敵なところは、映画とジャズへのオマージュに溢れているところだ。映画を観ていればいるほど、ジャズが好きであればそれなりに、科白や背景の小道具にニヤッとさせられることだろう。私も好きで持っているビル・エヴァンスのLPジャケットなんかが出てきた時はニンマリだった。映像、音楽がとても良いので映画館で観たい映画の一つに違いない。
平日に休むことのメリットは、どこへ行っても比較的空いていること。ゆったり過ごして気持良く終えた休日の翌日は多少のことでは動じない。スタッフにも優しく出来る(かな?)。皆の為にもなるのだ。これからは絶対休むぞ!
って、リキむなってば。

2017年2月24日
132 二代目イヤシ部長就任
今日から「プレミアムフライデー」が始まり、マスコミも盛んに取り上げていた。働き方改革、消費増大を狙って経済産業省が提唱し官民一体となって推し進めているらしい。過剰労働を避けつつ、早く終わるなり休みになった金曜日にどこかで出かけてお金を落とすという算段のようである。このプレミアムフライデーで空いた時間に何か舞台や映画でも観ようか、旅行にでも行こうか、買い物でもしようか…、そういうコトにお金を使ってもらうんだとお上は言うだのだろうが、それ程単純なことでは無いような気がする。場当たり的だと思うのは私だけだろうか。
我々のようなアート、エンターティメント関係の仕事は人が休みの時に催しを開くので、サービスを提供する側ということになるだろうか。しかし、少なくとも私の回りではこのフライデーの盛り上がりは一つとしてない。劇場にお客さまを呼ぶ際に「時間が余ったら」という誘いの言葉はないからだ。人を呼ぶには面白いと思うことをやるしかないのである。
働き方改革といえば、事務局に新しいスタッフが来てくれることになったが、このHさんは1歳8ヶ月の男児付きである。このところ子連れ通勤者が続いている。殊更に子連れ通勤を推進している訳ではないが、こちらの条件がこの業界の仕事の経験者で週2、3回位来てくれる人で、このくらいの時給でというのに合致するのは、こういった小さい子を持つ母親くらいになってしまうのかもしれない。まだ常勤では働けないが、少しづつ働き始めたいという希望がある年齢でもある。
先日まで来てくれていたイヤシ部長のサツキちゃんが来なくなって、スタッフが「サツキちゃんロス」に陥っていたところにこのチビちゃんシュン君がまた皆の心を和ましてくれることになった。早速二代目イヤシ部長に任命された。
事務局で会議など重要な事がある時はシュン君を置いてきてもらわなくてはいけないが、幸いなことに近くに実家がありHさんのお母さんに預かってもらえるとのことであり安心だ。保育所付きの大企業からは鼻で笑われるような改革だろうが、働き方改革はこういった形でも出来るのだ。
我々のようなアート、エンターティメント関係の仕事は人が休みの時に催しを開くので、サービスを提供する側ということになるだろうか。しかし、少なくとも私の回りではこのフライデーの盛り上がりは一つとしてない。劇場にお客さまを呼ぶ際に「時間が余ったら」という誘いの言葉はないからだ。人を呼ぶには面白いと思うことをやるしかないのである。
働き方改革といえば、事務局に新しいスタッフが来てくれることになったが、このHさんは1歳8ヶ月の男児付きである。このところ子連れ通勤者が続いている。殊更に子連れ通勤を推進している訳ではないが、こちらの条件がこの業界の仕事の経験者で週2、3回位来てくれる人で、このくらいの時給でというのに合致するのは、こういった小さい子を持つ母親くらいになってしまうのかもしれない。まだ常勤では働けないが、少しづつ働き始めたいという希望がある年齢でもある。
先日まで来てくれていたイヤシ部長のサツキちゃんが来なくなって、スタッフが「サツキちゃんロス」に陥っていたところにこのチビちゃんシュン君がまた皆の心を和ましてくれることになった。早速二代目イヤシ部長に任命された。
事務局で会議など重要な事がある時はシュン君を置いてきてもらわなくてはいけないが、幸いなことに近くに実家がありHさんのお母さんに預かってもらえるとのことであり安心だ。保育所付きの大企業からは鼻で笑われるような改革だろうが、働き方改革はこういった形でも出来るのだ。
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